放課後連・東京 公開質問状
【 障害のある子どもの放課後活動、障害のある青年・成人の余暇活動についての質問 】


 質問事項と回答
質問1
 障害のある子どもの放課後活動についての質問
 『都型放課後等デイサービス』の改善について
国の制度として、障害のある子どもの放課後活動を支える放課後等デイサービスがあります。2021年度に行われた報酬改定により、都内の7割の事業所が減収し、運営の危機に陥る事業所が現れました。私たち「放課後連・東京」は東京都独自の対策を望み、都議会へ陳情を12,475筆の関係者の声と共に提出し、意見付き採択になりました。(令和3年度第1回定例会付託陳情3第23号)これが中心となり2022年「都型放課後等デイサービス事業」は実施されました。
しかし、その内容は我々が求めた、子どもの成長・発達の為に懸命に活動している事業所が運営困難な状況から救われるものではありませんでした。その為、現在も2021年報酬改定の厳しい影響を負っております。さらに、2024年度報酬改定が実施されたため、新しい課題も生まれています。
同時に、喜ばしいはずの最低賃金の上昇、物価高騰による家賃値上げや活動費の増加、人手不足など、大都市東京としての課題によって事業所運営が厳しくなっております。また、加算により報酬が積みあがる放課後等デイサービスに準じている為、加算対応者やコア職員が辞めてしまうと補助金の返還義務が生じたり、事業中止になってしまいます。こういった形は人材不足の中、不安定な補助事業と言わざるを得ず、安心して制度の活用が行えません。
上記のような状況を踏まえ「都型放課後等デイサービス事業」を本来の意義に則し、安定した運営が行える制度として、より使いやすいものにするために、制度を大幅に改善すべきだと考えます。

このことについて、どのようにお思いですか(以下のいずれかに○印をお書きください)。

①そう思う    [  ]
②そう思わない  [  ]
③その他     [  ]


 回答
■れいわ新選組
①そう思う
※ご意見
 障害のある子どもの放課後の居場所は、本人・保護者にとって貴重なものですが、運営が厳しく中には倒産してしまう事業所が増えています。補助金については申請などの煩雑な事務作業が運営をさらに厳しくしているとの訴えも聞かれます。支援員などの人件費も向上させ離職を防ぐ必要があります。昨今の物価高もあり、加算や補助金があっても経営が厳しい状況であり、当初からの助成を増やし安心して事業に取り組めるようにするべきと考えます。

■国民民主党
③その他
※ご意見
 特別支援学校の高等部を卒業すると、「放課後等デイサービス」の対象外となり、日中の居場所や活動の場が失われる、いわゆる“18歳の壁”が存在します。そのため、夕方の早い時間帯に帰宅せざるを得ず、保護者がフルタイムの就労を諦めたり、短時間勤務に切り替えたりするケースも少なくありません。卒業後も安心して過ごせる支援体制の構築を進めます。
障がい者・難病患者が住み慣れた地域で安心して自立した生活が送れるよう、「障害者差別解消法」の実効性のある運用をめざします。障がいの有無等にかかわらず、同じ場で共に学び、働く「インクルーシブ教育・雇用」を推進します。

■社会民主党
①そう思う
※ご意見
 事業所の運営が厳しくなっている中で資格保有者の確保が難しく、適切な人員配置ができない事業所も増えていることから支援の質を向上させていく必要があると考えます。

■公明党
①そう思う
※ご意見
 「都型放課後等デイサービス」については、放課後等デイサービスの質の向上を図るため、昨年度から、より柔軟にサービスの充実に取り組めるよう、要件の充足状況に応じて補助金額が算定される仕組みへと改善されました。
さらに、人員配置や運営時間、送迎体制の要件などを見直し、利用者・施設側双方にとって有効な制度となるよう改善を進めるとともに、早期に運用の改善を図り、国の改定で生じた報酬減額がもたらす事業所の経営難、人材確保難を緩和するよう取り組みます。

■立憲民主党
①そう思う
※ご意見
 放課後等デイサービスの現場の実態に即した報酬改定や質の確保、児童発達支援管理責任者の研修制度の課題に取り組みます。

■日本共産党
①そう思う
※ご意見
 2022年度に開始された都型放課後等デイサービス事業は、多くの要件を課し、その内容も必ずしも子どもの成長・発達のためとは言えないものが含まれ、ご指摘の通り、子どものために懸命に活動している事業所が運営困難な状況から救われるものとはなりませんでした。
その後、2024年に報酬改定が行われ、都型放課後等デイサービスの要件も一部変更されましたが、基本的な問題は解決していません。
したがって、子どもの成長・発達を大事にして活動している事業所が安定的に運営できるようにする観点で、事業内容や職員配置の要件などを含めて、大幅に制度の見直し・改善をするべきです。
また、放課後等デイサービスの支援の質においてどのようなことが大切なのかについて、東京都が現場の声をよく聞き、理解を深めるべきです。

■都民ファーストの会
①そう思う
※ご意見
 放課後等デイサービスについては、報酬改定による経営難で地域でも事業継続を進めるのが困難な事業者が増えており、このままでは地域の障がい福祉が継続されに危機となっていると認識しております。
これまで都は、都型放課後等デイサービス事業により事務所へ独自補助などを実施してきましたが、より事業者が使いやすい制度となるよう更なる改善が必要と考えます。

 利用者負担について
放課後等デイサービス開始時より利用者負担の問題は挙がっておりました。特に37,200円上限世帯の利用控えは年々問題が深刻化していて、我々も要望として訴えてきました。また現在、国では「こども未来戦略」に基づき2024年度予算で、障害のある子どもの補装具における所得制限が撤廃されました。これは「(補装具が)障害のあるこどもにとって日常生活に欠かせないもの」とされ政策化されたものです。こうした「子どもの日常生活にとって欠かせないもの」に対し所得制限を撤廃する動きは放課後等デイサービスも同様だと考えます。
同時に都内では区市によって利用者負担政策を行っている自治体もあります。(千代田区、中央区では無償化、荒川区では費用負担軽減策、品川区では令和7年度より無償化)都としては2024年度第4回定例議会の中で「区市町村における独自の取組、事業所ごとの児童の年齢や障害の程度、利用状況などについて、今月から調査を実施しておりまして、今後、課題の把握を行ってまいります」と答弁をしておりますが、本来、子どもの権利条約などからみても、利用者負担が発生する事で権利が侵害されている状況は改善しなければなりません。その為にも、利用者負担の無償化や軽減策が必要と考えます。

このことについて、どのようにお思いですか(以下のいずれかに○印をお書きください)。

①そう思う    [  ]
②そう思わない  [  ]
③その他     [  ]


回答 ■れいわ新選組
①そう思う
※ご意見
 質の高いサービスを提供するには、行政のサポートが不可欠と考えます。居住地域による自己負担の差を無くすためには、国が無償化を行うか、先んじて東京都が一律に無償化すべきと考えます。

■国民民主党
①そう思う
※ご意見
 子育て・教育支援策全体の中でも、障がいのある子どもを育てる家庭の経済的負担を軽減することは喫緊の課題です。特別児童扶養手当をはじめ、障がい児福祉に関するすべての公的給付における所得制限を撤廃するとともに、特別児童扶養手当の支給水準も引き上げます。

■社会民主党
①そう思う
※ご意見
 放課後等デイサービス利用料の負担軽減を進めるべきと考えます。低所得世帯への支援拡充や自治体によるさらなる助成制度の強化を求めます。

■公明党
③その他
※ご意見
学齢期にある障害児の生活能力の向上を図るため、障害の状態や発達の状況に応じて自立支援や体験活動などのサービスを適切に提供することは重要です。
東京都では、障害児が地域において必要なサービスを受けられるよう、区市町村における独自の取り組みや、事業所ごとの児童の年齢、障害の程度、利用状況などについて、昨年12月から調査が行われ、その結果を踏まえて取り組んで参ります。 

■立憲民主党
①そう思う
※ご意見
放課後等デイサービスなどを利用する子どもの、いわゆる「18歳の壁」「所得制限の壁」の解消を進めます。

■日本共産党
①そう思う
※ご意見
障害児福祉は行政の責任で保障されるべきであり、自己負担を求めること自体、するべきではありません。また、放課後等デイサービスは本来、子どものための制度であり、保護者の所得によって違いを設けるべきではありません。
利用控えは深刻な問題であり、子どもの権利が侵害されている現状は早急に是正する必要があります。
先進的に無償化している自治体に学び、都として放課後等デイサービスの無償化を実施するべきです。 

■都民ファーストの会
①そう思う
※ご意見
 インクルーシブな東京へ向けて、都民ファーストの会が牽引してきた子育て政策の所得制限撤廃を障がい者政策においても進める必要があると考えます。特に放課後等デイサービスの利用者負担は、年収900万円を境に約8倍差があり、利用控えを余儀なくされている家庭もあります。放課後等デイサービスは、学童クラブと同じように放課後の居場所、学びの場です。自治体が取り組む利用者負担政策を後押しする補助制度を設ける、あるいは都独自で支援制度を設けるなどの施策が必要と考えます。

質問2
 障害のある青年・成人の余暇活動についての質問
   障害のある青年たちは学校教育を終えると放課後のサービスがなくなり、仕事後や休みの日に余暇を過ごす場が大幅に少なくなります。【18歳の壁】として国会でも議論され、家族の負担が一気に増えることや、生涯学習や発達保障の点からも問題視されています。放課後等デイサービスを利用していた子どもたちが卒業する度にニーズは高まっていますが、まだまだ充実した余暇とは程遠い状況です。長い人生において「余暇」をどのように過ごし、どのようにつくりあげていくのかは、人として社会教育や生涯学習、幸福追求権の観点からも普遍的なテーマです。
私たちは、障害のある青年・成人の余暇活動が当然の権利として発展するように、区市町村が積極的に参加・計画できるような制度の拡充が必要であると考えます。
これらについて貴党はどのような考えをお持ちでしょうか(以下のいずれかに○印をお書きください)。
障害のある青年・成人期の余暇について、どんなイメージをお持ちですか
A. イメージがない[   ] B.何となくある[   ] C.具体的に知っている[   ]

回答
■れいわ新選組
C 具体的に知っている
※ご意見
 家庭や、社会生活の主たる場である学校や職場だけで成り立っているわけではなく、それ以外の「第三の場」における、友人・知人等との交流こそが、人生に彩りを添えていると思われます。参加にあたって困難要員と思われること一つずつに支援策を講じることで参加のハードルを下げ、選択の幅を広げることが重要です。

■国民民主党
C 具体的に知っている
※ご意見
特別支援学校の高等部を卒業すると、「放課後等デイサービス」の対象外となり、日中の居場所や活動の場が失われる、いわゆる“18歳の壁”が存在します。そのため、夕方の早い時間帯に帰宅せざるを得ず、保護者がフルタイムの就労を諦めたり、短時間勤務に切り替えたりするケースも少なくありません。卒業後も安心して過ごせる支援体制の構築を進めます。 

■社会民主党
C 具体的に知っている
※ご意見
 障がいのある方が自分の興味や関心に応じた活動を選べるよう、多様な選択肢を提供したり、障害のある青年・成人がスポーツや文化活動に参加できる機会を増やしたり、障がい者が地域社会とつながりを持てるようにボランティア活動や就労支援と連携した余暇活動を推進していきます。

■公明党
B 何となくある
※ご意見
令和5年3月に閣議決定された「第5次 障害者基本計画」では、文化芸術活動、余暇・レクリエーション活動の充実に向けた社会環境の整備が盛り込まれていると認識しています。

■立憲民主党
C 具体的に知っている
※ご意見
余暇活動は、障がいのある方々にとって、社会参加の第一歩となります。地域のイベント参加や趣味のサークル、スポーツなどに参加することによって、疎外感を感じずに地域の一員としての実感をもつことができ、このような経験の蓄積が日常生活においての自立や人間関係の向上につながっていくと思います。

■日本共産党
C 具体的に知っている
※ご意見
 相談を受けたことがあり、実際に活動をしているところに視察に伺ったこともあります。
家と日中活動先だけでなく、余暇活動の場があることは、障害者権利条約に基づくレクリエーション・余暇活動の保障として重要であり、生涯を通じた発達保障のためにも大事な活動だと感じました。

■都民ファーストの会
C 具体的に知っている
※ご意見
 特別支援学校卒業後の18歳以上の日中の居場所が生活介護や作業所などに移行する一方で、これらが閉所してから15時半以降の居場所がない問題は切実です。自宅や日中の居場所以外で仲間と過ごせる時間は、障がいのある青年・成人にとってとても大切であると考えます。

障害のある青年・成人期の余暇について、補助金や法的制度は必要だと思いますか(複数回答可)
 ①必要
A. 市の施策として[   ] B. 都として[   ] C. 国として[   ] D. その他 [   ]

  ②現状必要ない
A. 作業所・青年学級などの余暇企画で十分     [   ]
B. 余暇は家庭や個人で楽しむもので公的補助は不適当[   ]
C. その他 [   ]

回答
■れいわ新選組
①必要
A 市の施策として必要
B 都として必要
C 国として必要
※ご意見
 大人の発達障がいへの社会全体での理解を促進するため、「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の更なる実施等、国による啓発活動・指導等の強化に取り組みます。
 さらに、既存の発想にとらわれない新たな社会参加・就労機会の場を確保します。

■国民民主党
①必要
C 国として必要
※ご意見
特別支援学校の高等部を卒業すると、「放課後等デイサービス」の対象外となり、日中の居場所や活動の場が失われる、いわゆる“18歳の壁”が存在します。そのため、夕方の早い時間帯に帰宅せざるを得ず、保護者がフルタイムの就労を諦めたり、短時間勤務に切り替えたりするケースも少なくありません。卒業後も安心して過ごせる支援体制の構築を進めます。 

■社会民主党
①必要
A 市の施策として必要
B 都として必要
C 国として必要
※ご意見
 自治体と連携し、障害者向けの余暇プログラムの充実を進め、障害者が余暇活動に参加しやすいよう利用料の補助や助成制度の拡充を求めます。利用者の経済的負担の軽減をはかることで障がい者の所得保障を強化し、余暇活動へのアクセスを向上させることを推進していきます。

■公明党
①必要
D その他
※ご意見
 「第5次 障害者基本計画」に基づき、文化芸術活動、余暇・レクリエーション活動の充実に向けた社会環境の整備に向けて、国・都・区市町村において具体的な施策の内容に応じて、必要な予算が計上されるべきと考えます。

■立憲民主党

①必要
A 市の施策として必要
B 都として必要
C 国として必要
※ご意見
放課後等デイサービスなどを利用する子どもの、いわゆる「18歳の壁」「所得制限の壁」の解消を進めます。
障がいの有無にかかわらず、全ての人が生涯にわたり文化芸術やスポーツを楽しめる環境を整え、共生社会の実現を目指します。障がい者の余暇活動に対する支援の充実に努めます。

■日本共産党
①必要
A 市の施策として必要
B 都として必要
C 国として必要
※ご意見
行政としての取り組みを求め、国会、都議会、区市町村議会での質問で取り上げてきました。都議会では、障害のある青年・成人の余暇活動についての都から区市町村への補助について、補助率が2分の1であることなどから実施が十分広がっていないため、補助率を引き上げることなどの取り組みの強化を求めてきました。 

■都民ファーストの会
①必要
B 都として必要
※ご意見
 特別支援学校を卒業した子どもたちは選択肢が少ないのが課題です。若者たちの8割が高校を卒業したあと進学しているのに比べて、9割が作業所は福祉施設で就労しています。また放課後等デイサービスもなくなるため家族の負担も増加します。障がいのある青年・成人の居場所の創設や、学びの継続のため都立大学と連携した特別支援学部の創設に取り組んでまいります。また、特別支援学校を含む都有施設の福祉的利用の検討も求めているところです。

 都の実態調査ではニーズの掘り起こしまでは出来ていません。調査は必要だと思いますか。
 A.必要(協力する) B.必要(協力できない) C.不必要

回答
  
■れいわ新選組
A 必要(協力する)
※ご意見
 あらゆる課題で実態把握は重要です。さまざまな手法での実施をすべきです。対象者あるいは家族への大規模な調査と同時に相談業務の充実などが考えられ、都議会での質問などを検討したいです

■国民民主党
その他
※ご意見
 特別支援学校の高等部を卒業すると、「放課後等デイサービス」の対象外となり、日中の居場所や活動の場が失われる、いわゆる“18歳の壁”が存在します。そのため、夕方の早い時間帯に帰宅せざるを得ず、保護者がフルタイムの就労を諦めたり、短時間勤務に切り替えたりするケースも少なくありません。卒業後も安心して過ごせる支援体制の構築を進めます。

■社会民主党
A 必要(協力する)
※ご意見
 都などへの申し入れなどについては必要な支援・協力してまいりたいと思います。

■公明党
いずれも選択せず
※ご意見
 公明党は「第5次 障害者基本計画」に基づき、障がい者施策を着実に実施するとともに、さらなる充実に取り組んでいます。国・都・区市町村など、行政の施策について具体的にお困りのことや、ご意見・ご意見がございましたら、各議会の公明党議員までご相談いただければと存じます。

■立憲民主党

A 必要(協力する)
※ご意見
 無記載 

■日本共産党
A 必要(協力する)
※ご意見
 調査は重要であり、都への予算要望でも、実施を求めてきました。都への要請にご協力することや、議会での質問で取り上げることなどを行いたいと考えています。

■都民ファーストの会
A 必要(協力する)
※ご意見
 「18歳の壁」の打破に向けて、障がいのある青年・成人の夕方以降の居場所のあり方について、今後の支援につなげるためにも実態を把握する必要があると考えます。